SACナレッジレター【2021年11月9日号】 | 熊谷公認会計士・税理士事務所

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SACナレッジレター【2021年11月9日号】

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  「法人税の税額控除制度のご紹介」

 

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昇給が行われた企業必見!税額控除を受けられる制度があります!

 

日々尽力してくれている従業員のために、昇給という形で還元しているから、何か特典みたいなものがあればいいのにな。と思っている事業主の方もいるのではないでしょうか。

 

青色申告書を提出している企業が、従業員へ昇給が行われ、前年度よりも給与の支給が増加した場合に受けられる税制があります。

 

その制度とは、中小企業向けの賃上げ税制の見直しが行われた「所得拡大促進税制」と、賃上げ及び人材育成に関する投資が行われた全企業向けの「人材確保等促進税制」の2つがあります。

 

1.中小企業向けの所得拡大促進税制について

 

従来の要件は

①全体の給与が前年度を上回っている

②2年間継続して雇用している従業員の給与が前年度より1.5%以上増加している

 

この2つが要件として挙げられていましたが、見直し後の要件は

①全体の給与が前年度より1.5%以上増加している

の1つのみとなりました。

 

つまり、従来の要件では、2年間のうち途中で採用した従業員は計算の対象外となり、継続して2年間在籍していた従業員の給与のみで判断するため、この制度が受けられない企業も多く見受けられていました。

 

しかし令和3年度の改正により、新たに雇用した従業員を含める、全体の給与総額で判断することとなったため、多くの企業が制度を受けることができるようになりました。

 

出典https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei21_pdf/zeisei21_02.pdf 財務省|令和3年度税制改正(令和3年3月発行)|(9)中小企業における所得拡大促進税制の見直し

 

2.全企業向けの人材確保等促進税制

この制度は、事業規模の大小は関係なく、全ての企業が対象となる制度です。

新卒・中途採用による雇用や、積極的な教育訓練費の投資を行う企業に対して、新規雇用した従業員の給与支給額の一定割合を、法人税額から控除する仕組みです。

 

①通常要件:新規雇用者の給与支給額が前年度より2%以上増えていること→控除対象となる新規雇用者の給与支給額の15%を法人税額から控除

 

②上乗せ要件:教育訓練費の額が前年度より20%以上増えていること→控除対象となる新規雇用者の給与支給額の20%を法人税額から控除

 

※控除額は法人税額の20%が上限です。

 

中小企業は所得拡大促進税制との併用はできませんが、いずれか有利な方を選択できますよ。

 

出典https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.htm |経済産業省|人材確保促進税制

 

3.各制度の特徴

この2つの制度は、要件の対象が異なることが大きな違いです。

所得拡大促進税制は全体の給与増加に対して、人材確保等促進税制は新卒・中途採用を対象にしているということです。

 

また、所得拡大促進税制に関しては、多くの企業が適用できるように従来の制度が見直されたことに加え、更に適用期限が2年間延長されました。そのため、より多くの企業がこの制度を受けられる可能性があります。

 

これまで、全体の給与は上がったにもかかわらず、2年間継続して雇用していることがネックとなり、控除が受けられなかった企業も、今回の改正により控除が受けられるようになるかもしれません。

 

4.まとめ

これらの制度は事前に認定を受ける必要はありませんが、決算申告の際に税額控除の対象となる給与支給額や、控除を受ける計算の元となる明細書や計算書の提出が求められます。

 

また、各制度の計算の対象となる給与とは、雇用保険に加入している一般被保険者が対象であることが前提です。

 

そのため、賃金台帳と併せて雇用に関するデータも整理しておくと、どの控除が適用できるのか、誰の給与が対象となるのかの判断しやすくなるでしょう。

 

昇給があった企業・昇給を予定している企業で、詳細のご確認やなにかご不明な点がございましたら、税理士までお問い合わせください。

 

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